NEO Cコーティング
NEO Cコーティングとは
NEO Cコーティングは、㈱豊田中央研究所が開発したDLC-Siコーティング技術を弊社のプラズマ熱処理技術とプラズマCVD装置のノウハウにより実用化したものです。 DLC-Si皮膜は、従来のC-H系DLC膜中に珪素(Si)を含有させています。これにより、従来のC-H系DLCに無い優れたコーティング特性とトライボロジー特性を実現しています。
NEO Cコーティングは、鉄鋼製品の表面をプラズマ窒化した後、連続してDLC-Si皮膜をコーティングする複合処理が容易です。また、予め表面硬化を施してある製品にも、研磨仕上げすればDLC-Si皮膜をコーティングし複合処理することができます。超硬製品には、プラズマ窒化をせずにDLC-Si皮膜のみをコーティングします。
※NEO Cコーティングとは NEOは、ギリシャ語の「新しい」の意味から、英語では、「新・・・」,「近代の・・・」,「復活・・・」の意味で使われます。 従来DLCに比べ、新技術,新特性を持つ「新たな時代のDLC」との思いをこめてDLC-Si技術をNEO Cコーティングと命名しました
NEO Cコーティングの特長
特長1(高密着性)従来の成膜法で得られるDLCと比べ、高い密着力を示します。
特長2(低摩擦係数)無潤滑下、水中、油潤滑下で極めて低い摩擦係数を示します。
特長3(耐凝着性)アルミニウム、ハンダなどの凝着防止に効果を発揮します。
特長4(付きまわり性)小物部品の大量処理、大型・長尺部品あるいは複雑形状部品、そして部品の 内径内面への処理も可能です。
特長5(複合処理)窒化との複合処理で、高面圧下での皮膜の耐久性を上げることができます。
特長6(適用材質)鉄鋼材料、アルミニウム、超硬合金など電気伝導性のある材質に処理ができます。
特長7(環境改善)NEO Cコーティングは、加工油の使用量削減やエネルギー使用量の節約を通して 地球環境の改善に貢献します。
NEO C適用例
DLCコーティングの主要な用途
- ハードディスクの磁気面保護膜
- 湯水混合栓のセラミック弁
- デジカメ,伸縮レンズ部Oリング
- PETボトルのガス透過バリヤ膜
- 時計ケース,バンドの保護,装飾
- 磁気テープ走行面の保護
- 刃物(切削刃,裁断刃、カミソリ刃)
- 金型(カシメ,曲げ,抜き,成形、パンチ)
NEO Cコーティング (プラズマCVD法) |
UBMS法 | アーク法 | イオン化蒸着法 | |
原料 | CH4、Si | グラファイト(C) | グラファイト(C) | ベンゼン(C6H6) |
処理温度/℃ | 300~600 | 200> | 250> | 200> |
被膜硬さ/HV | 1800~2500 | 1000~5000 | 2000~5000 | 2000~3000 |
被膜厚さ/μm | 0.5~10.0 | 0.5~1.0 | 0.5~1.0 | 0.5~1.0 |
摩擦係数/μ | 0.05~0.1 | 0.1~0.2 | 0.1~0.2 | 0.1~0.2 |
基材との密着性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
表面の平滑性 | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
付けまわり性 | ◎ | △ | △ | × |
生産性 | ◎ | △ | × | △ |
成膜方法 | 単層 | 複層 | 複層 | 複層 |
NEO Cコーティングの適用例
分野 | 用途 | 材質 | 効果 |
---|---|---|---|
成形金型 | パンチ | YXR33、SKD11、SKH51 | 凝着防止、耐摩耗性向上、 摩擦抵抗の低下 |
金型 | SKD11、SKH51、超硬 | 凝着防止、耐摩耗性向上、 加工油削減 |
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冷間プレス | 穴加工パンチ | SKD11、SKH51 | 凝着防止、耐摩耗性向上、 加工油削減 |
剪断工具 | SKD11、SKH51 | Al凝着防止、耐摩耗性向上、 加工油削減 |
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カシメ工具 | SKD11、SKH51 | Al凝着防止、耐摩耗性向上、 加工油削減 |
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アルミダイキャスト | 中子ピン、その他ピン | SKD61 | Al凝着防止、耐Al溶損、 離型剤削減 |
機械部品 | 裁断刃 | 超硬、SKH51 | 耐摩耗性向上、摩擦抵抗の低下 |
圧縮機部品 | SUS系鋼種、炭素鋼、 低合金鋼 |
耐摩耗性向上、摩擦抵抗の低下 | |
摺動部品 | SUS系鋼種、炭素鋼、 低合金鋼 |
耐摩耗性向上、摩擦抵抗の低下 | |
動力伝達部品 | SUS系鋼種、炭素鋼、 低合金鋼 |
耐摩耗性向上、摩擦抵抗の低下 |